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ご挨拶

長崎大学学長
片峰 茂

 文部科学省の支援による「日中韓の大学間連携による水環境技術者育成」事業は、本年度で4年目を迎えています。コンソーシアムを組む中国・韓国からの参加大学も当初の10大学から11大学に増えるなど、本事業は順調に進んでいます。今春は、最初の入学生全員が無事課程を修了し、日本の水関連企業を中心に各々が新しい道を歩み始めています。彼らはきっと、アジアの水環境の保全と安定供給システム作りを担う高度専門職業人として成長するに違いありません。そのことを通して日本の水環境技術のアジア地域への移転が推進され、アジアの経済成長に伴う地球環境への負荷が軽減され、ひいては地域の持続可能な成長につながることでしょう。
 21世紀、私たち人類は様々な困難・課題と対峙しなければなりません。戦争、貧困、エネルギーや食糧の枯渇、感染症など、課題は全て地球規模です。水環境を含む環境問題もその一つです。とりわけ巨大な人口を抱えながら急速な経済発展を遂げているアジア地域においては、国境を越えた水資源や水環境問題の深刻化が懸念されます。例えば東アジア諸国に囲まれた東シナ海、黄海の海洋環境の劣化と、それに伴う水産資源の枯渇問題が典型です。日中韓が個別の国益を越えてこれら地域の課題を共有し、協働することによってしか課題を克服することはできません。日中韓の共同研究を推進し、それを担う人材を協同して育成することこそが、信頼関係に基づく国境を越えた実質的協働の推進につながります。本事業は、そのような協働の実現に向けた重要な試金石です。その意味でも、本事業が素晴らしい成果をあげることを心より念願しています。

 世界の多くの国々、特にアジアやアフリカにおいて、水環境を保全することが極めて重要となっています。水環境が悪く多くの子供たちが生命の危機にさらされています。長崎大学大学院工学研究科では、安全な水環境を保全するために、海外の若者に対して、我が国が得意とする水環境技術の実践的な教育を行うことを、平成22年度より文部科学省の支援を受けて開始しました。事業名は、「日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業」で、全国の47大学から申請があった事業企画の中から選定されたものです。中国や韓国の11大学から優秀な学生を長崎大学の大学院工学研究科に受け入れ、アジアの水環境の保全と水資源の持続的利用に関する実践的能力の高い専門技術者を育成しています。本事業が目指す実践的で高度な技術者育成を強力に進めるために、中国と韓国の大学とはコンソーシアム運営協議会を、また国内の水環境関連企業等とは一般社団法人 産学官国際水環境技術推進協議会を結成しています。
 みなさんのご支援・ご協力の下で、優れた水環境技術者を一人でも多く輩出し、水環境の保全と水資源の持続的利用に関する分野での国際協力の輪が広がっていくことを願っています。

長崎大学大学院工学研究科長
石松 隆和


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