2025年3月13日に、長崎大学大学院工学研究科総合工学専攻博士前期課程2年次の橋口竜二さんが、第13回学生優秀講演賞(表面技術協会)を受賞しました。橋口さんは、表面技術協会第150回講演大会(2024年9月13日、北見工業大学)において、「弱アルカリ性ピロリン酸錯体浴から電析されたナノ結晶性Cu-Ni合金厚膜の機械的特性評価」というタイトルで口頭発表し、その研究内容およびプレゼン技術が評価されての受賞となりました。橋口さんは、環境調和型の無機系錯イオンであるピロリン酸をベースとした弱アルカリ性の新規電解浴を開発し、表面粗さRaが1 µm未満の平滑なCu-Ni合金厚膜(膜厚:約170 µm)の電解合成に成功しました。更に、このナノ結晶性Cu-Ni合金厚膜の機械的特性を評価したところ、ビッカース硬度、ヤング率および引張強度が、それぞれ327 HV、116 GPaおよび726 MPaにまで到達し、従来の鋳造圧延法で作製されたCu-12at.%Ni合金の機械的特性(ビッカース硬度:81 HVおよび引張強度:329 MPa)を大幅に超越する成果を得ております。
なお、本研究は、令和5年度長崎大学総合生産科学域研究プロジェクト課題として採択され、学域から貴重な支援を受けて遂行されました。ここに改めて感謝の意を表します。

